離婚を考えたとき、私が最初に心配したことの一つがお金でした。
「離婚後、子どもたちとの生活は成り立つのかな」
そう思って自分で調べていく中で知ったのが、離婚前に夫婦の財産を一度一覧にしておくことの大切さです。
最初に私が「財産」と聞いて思い浮かべたのは預貯金くらいでした。
でも調べてみると、婚姻中に夫婦の協力で取得・維持した財産であれば、土地や建物、預貯金、株式なども財産分与の対象になり得ます。一方、婚姻前から持っていた財産や、相続・贈与によって得た財産などは原則として対象外と考えられています。
そして私が特に驚いたのが、退職金も状況によって財産分与に関係する可能性があることでした。
離婚前に「何があるのか」すら分からないまま話を進めるのではなく、まずは今確認できる財産を書き出してみる。
私はその作業をしたことで、
「離婚後は節約が必要だと思うけれど、財産分与まで含めれば今すぐ生活に困るという状態ではなさそう」
と、少し冷静に将来を考えられるようになりました。

最初は預貯金くらいしか考えていませんでした。調べれば調べるほど「これも確認した方がいいんだ」と出てきて、離婚の話が進む前に一度整理しておこうと思いました。
離婚前に財産一覧を作る理由
財産一覧を作る一番の目的は、
「夫婦にどんな財産があるのかを把握すること」
です。
離婚時の財産分与では、婚姻中に夫婦の協力によって築いた財産が対象になります。名義が夫か妻かだけで決まるわけではありません。
そのため、
「私名義じゃないから関係ない」
「夫が管理しているから知らなくてもいい」
と考えてしまうと、後から確認したい財産が出てくる可能性があります。
私は離婚後のお金が心配だったからこそ、まず今ある財産を見える状態にすることから始めました。
財産一覧に入れて確認したいもの
裁判所も財産分与の手続で、土地・建物のほか、現金・預貯金・株式等の財産目録を用意しています。現金・預貯金・株式等の目録では、銀行名・支店名・口座番号、株式の銘柄、投資信託の種類などを記載する形式になっています。
離婚準備としては、まず次のようなものを確認しておくと整理しやすいと思います。
| 財産 | 確認しておきたいものの例 |
|---|---|
| 預貯金 | 銀行名・支店・口座・残高 |
| 現金 | 手元にあるまとまった現金 |
| 不動産 | 自宅・土地など |
| 株・投資信託 | 証券会社・銘柄・評価額 |
| NISA等 | 証券口座の内容 |
| 生命保険・共済 | 契約内容・解約返戻金 |
| 車 | 名義・ローン・査定額 |
| 退職金 | 制度の有無・見込額を確認できる資料 |
| 負債 | 住宅ローン・自動車ローンなど |
一覧に書いたものがすべて必ず財産分与の対象になるわけではありません。
婚姻前から所有していた財産や、相続・贈与などで取得した財産は原則として対象外と考えられます。また、個別の事情によって扱いは変わります。
私はまず預貯金から確認した
私が最初に確認したのは預貯金でした。
財産と聞いて一番イメージしやすかったからです。
確認には、
通帳、ネット銀行、マネーフォワード
などを使いました。
どこの銀行に口座があるのか。
今いくらくらいあるのか。
自分が把握している口座以外にもないか。
まずそこを整理しました。
裁判所の財産目録でも、預貯金については銀行・支店・口座番号や金額を整理する形式になっています。


株やNISAも確認した
次に確認したのが、株や証券口座です。
私は証券口座も見ながら、どんな資産があるのかを確認しました。
裁判所の財産目録でも株式や投資信託は記載対象として扱われており、株式なら銘柄、投資信託なら種類などを整理する形式になっています。
「銀行口座の残高だけ分かればいい」
と思ってしまいそうですが、今はNISAや投資信託などで資産を持っている家庭も多いので、証券口座も忘れず確認しておきたいところです。


保険は「保険証券がある」だけでは判断できない
保険については、私は保険証券や関連資料を確認しました。
財産分与で生命保険や共済を確認する場合、裁判所の資料では保険証券に加えて、解約返戻金の証明書などが例として挙げられています。
つまり、
「生命保険に入っている」
という情報だけではなく、
今解約した場合に返ってくるお金があるのか
まで確認することが大切になります。
私は会社関係を含めて、まだ内容が分からない保険もあるため、この部分は必要になれば専門家に確認したいと思っています。
車も財産一覧に入れておく
車についても確認しました。
私は車検証を見て、
誰の名義なのか、ローンはあるのか
を把握するようにしました。
裁判所の資料でも、自動車について車検証や査定書等が財産確認資料の例として挙げられています。
車は日常生活では「移動手段」という感覚が強いですが、離婚時には価値のある財産として確認が必要になることがあります。


一番驚いたのは退職金だった
私が財産について調べていて、一番驚いたのが退職金でした。
最初は、
「まだ受け取っていない退職金まで離婚に関係するの?」
と思いました。
裁判所の実務資料では、退職金を確認する資料として、基準時に自己都合退職したと仮定した場合に支払われる金額を示す勤務先の証明書や、退職金規程などが挙げられています。
ただし、将来の退職金が必ず財産分与の対象になるわけではありません。
勤務先の制度、退職までの期間、婚姻期間など個別事情によって判断されます。
私の場合は退職金制度そのものがまだ分かっていないので、
「確認候補の財産として忘れないようにする」
という段階です。


会社関係の財産が一番分からなかった
私が今一番不安に感じているのは、会社に関係する部分です。
預金なら通帳を見る。
株なら証券口座を見る。
車なら車検証を見る。
このように確認方法が分かりやすいものもあります。
でも会社が関係すると、
何が本人の財産なのか
会社そのものの財産なのか
株式を持っているのか
保険や退職金制度がどうなっているのか
私だけでは分からない部分があります。
ここで注意したいのは、会社にあるお金や会社名義の財産が、そのまま夫婦の財産になるわけではないということです。
会社と個人は別です。
一方で、本人が保有する会社の株式など、個人の財産として確認が必要になるものが存在する可能性はあります。
そのため私は、
「会社にお金があるから半分」
のように自分で判断するのではなく、必要になれば弁護士などの専門家へ相談したいと思っています。



普通の預金や車は自分でもある程度確認できます。でも会社関係になると、どこまでが夫婦の財産なのか私には分かりません。ここは無理に自己判断せず、必要なら専門家に確認しようと思っています。
財産一覧は完璧に作らなくてもいいと思った
私は現時点で、正式な財産目録のようなものを作っているわけではありません。
使っているのは、
スマホのメモ、スクリーンショット、写真
です。
例えば、
「○○銀行 普通預金」
「○○証券」
「○○保険」
「車」
「退職金は要確認」
というように、分かるものからメモしています。
そして確認できた資料はスクリーンショットや写真で残しています。
最初から完璧なExcelを作ろうとすると大変です。
私はまず、
「何があるか分かる状態にする」
だけでも十分意味があると思っています。
私が残しておきたいと思った資料
財産を確認する中で、私は次のような資料はできる範囲で残しておきたいと思いました。
・預貯金の残高が分かる画面
・ 通帳のコピーや写真
・証券口座の残高画面
・ 保険証券・保険資料
・車検証 課税証明書
・財産に関係しそうな資料
裁判所でも、財産分与の手続では預金通帳の写し、残高証明書など、財産の内容が分かる資料の提出を求める場合があります。
ただし、資料を集める際は、自分が適法に確認できる範囲で行うことが大前提です。
相手のパスワードを無断で使ってアクセスするなど、権限のない方法で情報を取得することは避け、分からない財産がある場合は弁護士へ相談する方が安心です。
財産は「いつの時点を見るのか」も大切
財産一覧を作るときは、金額だけではなくいつの時点の残高なのかも残しておいた方がいいと思います。
東京家庭裁判所の財産目録記載例では、預金や株式などについて、別居時または離婚時のいずれか早い時点の数量・金額を記載する形式になっています。
個別の財産分与でどの時点を基準にするかは事情によって判断されますが、
「いつ見た残高なのか分からないスクリーンショット」
より、
日付まで分かる資料
の方が後から整理しやすいです。
「相手がお金を動かす前に把握しておきたい」と思った
私が財産一覧を早めに作った方がいいと思う大きな理由がこれです。
離婚の話が進み始めれば、夫婦のお金の動きが今までと変わる可能性もあります。
だから私は、
相手が資金を移動したり状況が変わったりする前に、今どんな財産があるのかだけでも把握しておきたい
と思いました。
もちろん、お金が移動しただけで直ちに財産分与の対象から外れるという意味ではありません。
でも、
「以前いくらあったのか」
「どこの口座にあったのか」
さえ分からない状態より、もともとの状況を示せる資料があった方が確認しやすいと思います。
特に私は会社関係など分からない部分があるため、自分で確認できるものだけでも先に整理することを大切にしています。
財産一覧を作って「離婚後すぐに困るわけではないかも」と思えた
財産を確認する作業は、怖さもありました。
離婚後は家賃もかかります。
引っ越しや家具家電にもお金が必要です。
子どもたちとの生活費もあります。
だから最初は、
「離婚したら、とにかく節約しないと生活できない」
という気持ちが強かったです。
でも財産を一つずつ整理していくうちに、
財産分与まで含めて考えれば、今すぐお金に困る状態ではないかもしれない
とも思えるようになりました。
もちろん、実際にいくら受け取れるかは決まっていません。
それでも、
何も知らない状態で不安になるのと、今あるものを確認した上で生活設計をするのでは全然違う
と感じています。
財産分与の請求期間は2026年4月から5年に
2026年4月1日に施行された改正民法では、財産分与を家庭裁判所に請求できる期間が離婚後2年から5年に延長されました。
ただし、2026年3月31日以前に離婚した場合は従来どおり離婚後2年です。
法務省「財産分与に関するルールの見直し」
法務省の公式資料を見る
期間が延びたとはいえ、
「離婚してから調べればいい」
というより、確認できる財産は離婚前から整理しておいた方が私は安心だと思っています。
裁判所には財産目録の書式もある
「何を一覧にすればいいのか全然分からない」
という場合は、裁判所が公開している財産分与の財産目録を見るのも参考になります。
土地・建物だけでなく、
現金・預貯金・株式等
を記載する書式も公開されています。
自分用の財産一覧を作る段階なら、この形式をそのまま使わなくても、
財産の種類/名義/金額/確認した日/証拠があるか
くらいに分けるだけでも整理しやすいと思います。
裁判所「財産分与請求調停の申立書・財産目録」
裁判所の財産目録を見る
離婚前の財産一覧は「金額を確定する作業」ではない
財産一覧を作ると、
「この金額の半分が絶対もらえる」
と計算したくなります。
でも私は、最初の段階ではそこまで確定させなくてもいいと思っています。
まずやるのは、
何がある?
誰の名義?
今いくらくらい?
資料はある?
分からないものは何?
を整理すること。
分からないものが見えれば、
「これは弁護士に聞こう」
という判断もできます。
財産一覧を作る目的は、最初から財産分与額を完璧に計算することではなく、
離婚後のお金を考えるための土台を作ること
だと私は感じています。
まとめ|離婚前に「今ある財産」を一度見える化しておく
離婚後のお金が不安で、私は財産について調べ始めました。
最初は預貯金しか思い浮かばなかったけれど、
調べてみると、
株、保険、車、退職金など、確認しておきたいものが次々に出てきました。
・まず夫婦にどんな財産があるか書き出す
・ 預貯金だけでなく株・保険・車・退職金なども確認する
・ 名義だけで財産分与の対象かどうかは決まらない
・ 婚姻前の財産や相続・贈与財産は原則対象外
・残高画面や通帳など確認資料を残す
・金額だけでなく確認した日付も意識する
・ 会社名義の財産と個人財産は区別する
・分からない財産は無理に自己判断せず専門家へ相談する
・ 2026年4月1日以降の離婚では財産分与の請求期間は原則5年
・ 離婚前から財産を把握しておくと生活設計もしやすい



私は、相手がお金を動かしたり状況が変わったりする前に、今分かる財産だけでも把握しておくことをおすすめしたいです。全部を完璧に調べられなくても、「何があるか」「何が分からないか」が分かるだけで、次にすることが見えてきました。
離婚後のお金に不安があるからこそ、
まず「今、夫婦に何があるのか」を確認する。
私はそこから始めてよかったと思っています。










